だが実際はそれほど単純な人間関係ではなかった。♯22で指摘した通り、サンエイが系列としてうたっている14店舗のうち、関根容疑者が事実上経営をしている店が5店舗程度あり、ここの売り上げが好調だったことをおもしろく思わない宝島さんと関根容疑者との間で経営の主導権を巡る軋轢が深まっていた。
宝島さんが実権を奪おうとしたことに反発する関根容疑者が「(店を)取られるくらいなら、こっちから取ってやるか」と口にするのも知人が聞いており、対立は深まっていた。
「関根容疑者は今年2月、系列店の店員らにSNSで、自分が主導してきた店のスタッフへの賃金支払いは4月から宝島社長が行うようになるので賃金が下がる人もいるかもしれない、と伝えています。
そのメッセージの中で『納得できなければ言い返せ』『宝島か関根か、どちらにつくのかと言われるかもしれない。思いの丈を(宝島社長に)伝えて構わない。その結果何か嫌なこと言われるかもしれませんが。私はみんなの側にいる』とも表明していました。そして『4月末までにはすべて片付けます』とも書いていました」(店舗関係者)
「4月末」とは、今回の事件のことを念頭に置いていたのだろうか。
■事件後、関根容疑者が指示を出した最初のメッセージ
関根容疑者の逮捕後、“関根派”の系列店のスタッフの一人は「関根さんは本当に思いやりがあった。名前入りの店のユニフォームをくれるとか、配慮が深い人だった」と話し、大きな衝撃を受けているようだった。
一方、“非関根派”の店のメンバーは「セイハさんは“自分の店”では料理を運んだり細かい仕事をやったりしていたけど、そうじゃない店には指示に来るだけだった」と話し、サンエイの店員の中でも関根容疑者に対してはさまざまな見方があったことをうかがわせた。
(後略)
栃木県那須町の河川敷で会社役員宝島龍太郎さん(55)と妻幸子さん(56)の遺体が見つかった事件で、死体損壊容疑で逮捕された会社役員関根誠端容疑者(32)は、宝島さんが経営する会社のマネジャーとして、飲食店の一部を管理していた。
遺体が発見された日の夜、店から急いで帰る姿が目撃されたほか、夫妻への不満もたびたびこぼしていた。
従業員らによると、関根容疑者は宝島さんの長女の内縁の夫で、東京・上野で宝島さんが経営する飲食店十数店舗のうち、数店舗を管理していた。英語が堪能で、外国人従業員とも積極的にコミュニケーションを取っていた。
遺体は4月16日朝、那須町で見つかった。関根容疑者は同日も店を訪れていたが、遺体が宝島さんと判明し、午後10時ごろに帰宅。17日午前2時すぎ、従業員に向け、「あすは休業にする」という趣旨のメッセージを送った。
宝島さんが経営する店は事件を受け、約1週間休業。その後、宝島さんに代わり、関根容疑者が指示する形で全店舗が営業を再開した。
関根容疑者が事件後、店に顔を出すことはなかったが、チャットで従業員とやりとりを続けた。宝島さんが管理していた店の従業員にも「給与は何とかするからしばらく我慢して」と伝えていた。
一方、近隣店舗の店員によると、関根容疑者はたびたび夫妻への愚痴をこぼしていた。
「(幸子さんから)『従業員が足りないならあなたが働けばいい』と言われたが、分身の術を使わないと無理だ」と不満げに話していたほか、夫妻が同容疑者らの子どもに頻繁に会いたがることにも不快感を示していた。

宝島 (岩波少年文庫 528) - R.L.スティーヴンスン, Robert Louis Stevenson, 海保 眞夫
引用元: ・https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1715146363/